トラ子がカラーをつけてからの写真は、あまり正面から顔がはっきりわかるものは上げないようにしていた。
ヨダレと血で顎から下がベタベタのドロドロのカピカピだったのと、舌がだいぶ変形して口が閉じなくなっていたから。
口が閉じないだけなら、遠目にはベロのしまい忘れみたいで可愛いのだが、近くで見るとやはり痛々しかった。
トラ子の毛色が黒系だったので、血混じりのヨダレもさほど目立たなかったのだけれど、これがにゃーちゃんみたいな白猫ならさぞ悲惨な見た目だったろうなあ、と思う。
カラーつけてると、なかなか血混じりのヨダレを綺麗にしてやるのが難しかった。通院日に病院のスタッフの方たちが3人がかりで洗ってくれて、その際顔の横の長めの毛を、ドロドロになっちゃうからと切ってもらった。その毛は本当は切りたくなかった。
私はトラ子の顔の横の長めの毛が好きだった。
その毛がないトラ子の顔は普通のトラ猫のようで、トラ子ってトラ猫だったんだなあ、と思った。
写真はちょうど1年前のトラ子。