嘘というのは、どこかで綻びが生じるものである。
ついて良い嘘など、本当は無いのかもしれないのだが、
自分自身を護るためのものでなく、相手を想いつくものであれば、
舌を抜かれることも無いのではないかと思うのである。
ニャ王と私と抹茶で、向かい合わせの三角形が出来た。
もちろん、晩御飯の
「いただきま〜す♪」
直前の事である。
ニ:「ちゃーちゃん♪おやつ?今日、母ちゃんからもらわんやった?」
ま:「・・・・」
斜め右上を見る抹茶。
よ:「あれ?食べたよね〜。」
ま:(ジーーー)
私を悪い顔で見るのである。
ニ:「おやつ食べんかったの?」
ま:(・・・・たべました・・・)
斜め右上を再び見る抹茶。
ニ:「しょうがないな〜。食べる?」
ま:「みゃ〜♪」
よ:「ウソつけんね〜♪」
そんな様子を観察し、おやつをご相伴するきなこである。
これはまだ、祖母が入院する少し前の話である。
翌日、温泉地に腰痛療養に行っている祖母を、迎えに行く予定にしていたニャ王と私。
福岡でも雪で混乱状態ではあったが、難無く復旧していたのである。
ところが深夜、
ウ:「ばあちゃんに電話してさ、雪で山への道も通られんから、一週間延ばしてくれん。って言うて。」
ウダ男からニャ王に、電話が入ったのである。
平日に休みを取り、送迎しているニャ王。片や、一日中家におり、収入手段すらニャ王に託すウダ男。
山への道も復旧している事も知りながら、ニャ王は祖母に電話をしたのである。
祖母は亡くなる間際まで、
祖母:「あの時一週間延ばしたせいで、嫌な思いした。」と、長年親しくしていた知人の事を言い続けたのである。
祖母の四十九日も終えたある日の事。
ウ:「あの時は参ったよ〜。ばあちゃんが温泉地行ってたとき、ケンとテレビでCMやってるバイキング食べ放題の温泉(一泊)行ってて、雪で足止めおうて〜。」
ニ:「・・・バイキング、うまかったね?」
よ:「・・・・(苦笑)」
『口は災いのもと』
『嘘も方便』
この先何年、よめにゃんこ・抹茶・きなこ、そしてウダ男が!ニャ王の肩に重くのし掛かるのであろうか。
ひとまず、
よ:「ニャ王だけがママンの性格引き継いでくれてて、ホンマ良かった〜!!」
胸をなで下ろし、抹茶ときなことの4ニャン生活の幸せを噛みしめるのである。