すべて思いのままに物事を進めてきた者であっても、
『命』だけはそうは行かないものである。
ボ:「(夢で)お迎えに参りました。って言われたじゃん。ばあちゃんももう年やし、行きます。って言うたじゃん。それでは、また来ますって帰りんしゃった。」
よ:「なんで。おばあちゃん、来なくて良いですよ。って言わな。」
ボ:「ばあちゃんももう八十八(歳)やけん。」
よ:「知ってる人やった?」
ボ:「見たことなか人やったじゃん。」
よ:「知らん人について行ったらいかんやん。」
それが、ボス(改め、以後祖母)との最後の会話である。
祖父の時同様、ニャ王の爆弾の導火線が燃え尽きるのが先か!?、
私がキレるのが先か!?のギリギリの状態で、
何とか祖母の四十九日を終えることが出来たのである。
そんな中、わが家にも異変が起きたのである。
『四七日(よなのか)』を終えた頃の事
よ:「なんかさぁ・・・おばあちゃん居た時より今の方が忙しいの、気のせい?」
ニ:「あれ?気付いちゃいました?」
よ:「ちゅうかさ・・・お父さん、家の片付け(もしもの時の準備)せないかんって年末に仕事(兼業)辞めてしもて、山仕事(本職)もニャ王が行ってるやん。掃除も私がしてるやん。平日いったい何してる?」
ニ:「まあ、まあ、まあ、まあ。そう言わんと。」
よ:「ニャ王が代わりに山仕事行ってる間、ビール飲みながらパソコンの前に居るか、買い出し(ビール)行ってるし、来客あっても、隠れて出てこんし。って、私はそこまで優しくないから呼びに行くけどさ。」
山仕事の報酬?!
ウダ男(父)の食べかけの何日か経った
『ネットお取り寄せ食パン』を焼いていた時の事である。
突然、抹茶が私の顔をマジマジと見つめ匂いを嗅ぎ、威嚇し始めたのである。
ニャ王が私と抹茶の間に入っても治まらず、
台所に飛び乗り、私の目線に合わせてまで威嚇と襲撃が続いたのである。
よ:「なん?え??」
今までに見たことのない抹茶の様子に、驚きよりも恐怖を覚えたのである。
その後も何度も襲いかかり、抹茶をどう対処して良いのか、私自身わからなくなったのである。
ニ:「ちょっと、離れとけ。」
私が寝室に避難している間、ニャ王は原因を一つ一つ潰し始めたのである。
原因:パンの焼ける匂いがし出してから、急に抹茶が変わり始めた。
対処:ビニール袋を何重にもして、申し訳ないがパンは処分。
原因:父の話をする私
対処:隔離
その後一週間は、異様な雰囲気に包まれたが、
その都度、ニャ王が
ニ:「母ちゃんに何て言いよー!母ちゃんぞ!抹茶くんが守ってやらないかんやろうが!」
と、『父親の威厳』を見せてくれたのである。
ふと、ママンの事を思い出した。
『暴れん坊』であったニャ王を諦めず逃げる事もせず、
時に厳しく見守り続けてくれた。
私は、抹茶に甘え過ぎていたのかもしれない。
いつも様子を察知し、慰めてくれたり、笑わせてくれたり・・・
きなこが来た分、愛情が半分になったつもりは無いのだが、
抹茶にしてみれば、寂しさもあったのでは・・・
『親しき仲にも礼儀あり』
途中、『襲撃事件』があったお陰で、抹茶に軌道修正してもらえたのではないかと、
四十九日を終え思うのである。